こんにちは!スポーツマジックの直也コーチです!

今回はうまくいかないときどう乗り越えたらよいかを自分の経験を交えながら書いていこうと思います。

自分も経験した“止まる時間”

 陸上を続けていると、順調な時ばかりではありません。

どれだけ練習を積んでいても、結果が出ないときや、けがで思うように走れないときがあります。「どうして自分だけ...」そんな気持ちになってしまうことは、決して珍しくないと思います。

 うまくいっているときは、自信も自然とついてきます。しかし一度つまずくと、その自信が一気に崩れてしまうことがあります。身体の痛みよりも、心の落ち込みの方がつらい。あの感覚は、経験した人にしかわからないかもしれません。

ただ"うまくいかないときの向き合い方”が、そのあとの成長を大きく左右していたように思います。逃げたい、諦めたい、もうだめだ...そう思った時こそ、実は大切な瞬間でした。

 私は学生時代に記録がまったくでなくなり、「自分はもう陸上をやっていても速くならないのではないか」と本気で思い込んでしまった時期がありました。怪我をしていたわけではありません。ただ、きつい練習をどれだけ続けても結果につながらない。「もうやりたくない」「練習に行きたくない」そんな気持ちばかりが強くなり実際に部活に足が向かない日もありました。

生活リズムも崩れ、気持ちも沈んだまま。競技を続けている意味すら見えなくなっていました。

今振り返ると、あの時期は“目に見える成長が止まった時の苦しさ”に押しつぶされていたのだと思います。こうした期間は、競技を続ける誰にでも訪れることがあると思います。

 そんな自分が変わりはじめたのは"自分が置かれている現実を受け入れた瞬間"からでした。

 最初はプライドが邪魔をしていました。「高校では一番だったのに」「自分より速い人に教えてもらうなんて情けない」そんな気持ちがどこかにあり、アドバイスを聞いていても素直になれない自分がいました。でもこのままでは何も変わらない。そう気づいたとき、はじめて腹をくくりました。自分より速い選手に「教えてほしい」と自分から声をかけ、メニューの意図や走り方まで細かく尋ねました。そこから自分の中で大きな変化が生まれました。

・今までただ頑張るだけだった練習が、目的を意識した練習に変わった

・走りのフォームやリズムを見直し、悪い癖を一つ一つ修正した

・練習の取り組み方を「つらい」から「成長のため」に切り替えられた

 すると不思議なもので、結果がすぐに出たわけではないのに「練習に行くのが嫌じゃなくなってきた」「もっと知りたい」「もっと速くなりたい」という気持ちが戻ってきました。

そこから少しずつ走りに変化が現れ最後のシーズンではついに200mで自己ベストを更新することができました。記録を出した瞬間よりも、そこに至るまでの過程で"素直に学ぶことが、自分を成長させるんだ"と実感できたことの方が、今の自分にとって大きな財産になっています。

 この経験は、今の指導にも大きく影響しています。結果が出ない時期や、気持ちが沈んでしまう時期を乗り越えるのがどれだけ大変か、身をもって知っているからです。

指導をしている子どもたちが落ち込んでいるとき、「気持ちの問題だよ」「もっと頑張れ」なんて簡単には言えません。そんな簡単に片づけられるほど、競技の世界は単純ではないとわかっているからです。

だからこそ原因を一緒に探しながら、「どうすれば成長につながるのか」を選手自身が気付けるように寄り添うことを意識しています。

・練習のやり方だけではなく、考え方を共有する

・練習の調子を“結果”だけで判断しない

・本人の気持ちを置き去りにしない

こういったことを常に意識しています。

 走るのが楽しくなくなる瞬間は続けていれば誰にでも起こることだと思います。だからこそそこで競技を嫌いになってほしくないし、その山を越えた先の成長や喜びを一緒に味わいたいとも思っています。

大学時代につまずいたあの経験は、当時はただ苦しいだけでした。しかし今となっては、指導者としてとても大切な財産になっています。

どんな時期の選手でも見捨てず寄り添う

その姿勢を忘れない指導者でいたい―——そう心に決めています。

 うまくいかない時期って本当に苦しいものだと思います。努力しているのに結果が出ないと、自分の価値まで否定されたような気持ちになります。周りの選手が成長していくほど、自分だけ取り残されているようで、余計につらくなります。

でもうまくいかない時期は、決して無駄な時間ではありません。むしろ"自分と向き合うチャンス"でもあります。

逃げたくなる気持ちも、諦めたくなる気持ちも本気でやってきた人ほど抱くものです。

 もし結果が出なくて苦しんでいる人がいるなら、「自分はダメだ」と決めつける前に、もう一度だけ立ち止まって考えてみてほしいです。何のために走っているのか。どうなりたいのか。誰のために頑張りたいのか。その答えが少しでも見つかれば、人はまた前に進めます。

うまくいかない時期は長く感じますが、必ず抜け出せます。そして抜け出した時には、以前より強く、しなやかな自分がいます。

 今つまずいているなら焦らなくて大丈夫です。悩んでいる自分を責めなくて大丈夫です。うまくいかない時期さえ乗り越えられたら、走ることの楽しさも、自分の成長も感じられるようになります。自分を信じましょう。

このブログで今苦しんでいる誰かの小さな支えになってくれたら嬉しいです。

長々とここまで読んでいただきありがとうございました。

スポーツマジック

高橋直也

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